落葉 (おちば)

【解説】
樹木の葉が枯れて枝を離れ落ちること、また落ちた葉。

【例句】
からかさ干して落葉ふらして居る(尾崎放哉)
夕ベ落葉たいて居る赤い舌出す(尾崎放哉)
曇り日の落葉掃ききれぬ一人である(尾崎放哉)
落葉へらへら顔をゆがめて笑ふ事(尾崎放哉)
落葉拾うて棄てて別れたきり(尾崎放哉)
落葉掃き居る人の後ろの往来を知らず(尾崎放哉)
落葉掃けばころころ木の実(尾崎放哉)
落葉木をふりおとして青空をはく(尾崎放哉)
からまつ落葉まどろめばふるさとの夢(種田山頭火)
それでよろしい落葉を掃く(種田山頭火)
なんぼう考へてもおんなじことの落葉ふみあるく(種田山頭火)
よびかけられてふりかへつたが落葉林(種田山頭火)
何か足らないものがある落葉する(種田山頭火)
何を待つ日に日に落葉ふかうなる(種田山頭火)
寝たり起きたり落葉する(種田山頭火)
空のふかさは落葉しづんでゐる水(種田山頭火)
落葉あたたかうして藪柑子(種田山頭火)
落葉してさらにしたしくおとなりの灯の(種田山頭火)
落葉の、水仙の芽かよ(種田山頭火)
落葉の濡れてかがやくを柿の落葉(種田山頭火)
落葉ふかく水汲めば水の澄みやう(種田山頭火)
落葉ふみくるその足音は知つてゐる(種田山頭火)
落葉ふる奥ふかく御仏を観る(種田山頭火)
落葉ふんで豆腐やさんが来たので豆腐を(種田山頭火)
落葉を踏んで来て恋人に逢つたなどといふ(種田山頭火)
道がなくなり落葉しようとしてゐる(種田山頭火)
この落葉どこ迄まろび行くやらん(高浜虚子)
たまるに任せ落つるに任す屋根落葉(高浜虚子)
たら/\と藤の落葉の続くなり(高浜虚子)
ひらひらと深きが上の落葉かな(高浜虚子)
ほこ/\と落葉が土になりしかな(高浜虚子)
わが懐ひ落葉の音も乱すなよ(高浜虚子)
わが為の奥津城どころ落葉積む(高浜虚子)
乞食の顔しかめつゝ落葉風(高浜虚子)
佇めば落葉ささやく日向かな(高浜虚子)
大木の見上ぐるたびに落葉かな(高浜虚子)
岩壁に這ひ上る如落葉積み(高浜虚子)
帚あり即ちとつて落葉掃く(高浜虚子)
常寂光浄土に落葉敷きつめて(高浜虚子)
徐々と掃く落葉帚に従へる(高浜虚子)
御神鬮の凶が出でたる落葉降る(高浜虚子)
掃きしあと落葉を急ぐ大樹かな(高浜虚子)
掃く時も佇む時も落葉降る(高浜虚子)
日覆に松の落葉の生れけり(高浜虚子)
杉落葉して境内の広さかな(高浜虚子)
歯塚とはあらはづかしの落葉塚(高浜虚子)
滝風は木々の落葉を近寄せず(高浜虚子)
神前の落葉掃く賤相ついで(高浜虚子)
胸出して鳩のぼり来る落葉坂(高浜虚子)
舞うてゐし庭の落葉の何時かなし(高浜虚子)
茶屋に居て下なる茶屋の屋根落葉(高浜虚子)
落葉吹く風に帚をとどめ見る(高浜虚子)
落葉吹く風に追はれて地下室に(高浜虚子)
落葉敷く荒波を敷く如くなり(高浜虚子)
親心静に落葉見てをりて(高浜虚子)
雪踏みて乾ける落葉現はれぬ(高浜虚子)
静さに耐へずして降る落葉かな(高浜虚子)
静なる落葉の下にわれは在り(高浜虚子)
鼻の上に落葉をのせて緋鯉浮く(高浜虚子)
野路こゝにあつまる欅落葉かな(芝不器男)
鶏に下駄はかせたる落葉哉(藤野古白)
傘にしばしばとまる落葉哉(藤野古白)
我影の動きだしたる落葉哉(藤野古白)
寒山寺風を箒の落葉哉(藤野古白)
落葉にも眼配りの敏し拳鷹(藤野古白)
落葉して奥の間になりぬ琴の声(藤野古白)
辻堂の闇にぶつかる落葉かな(藤野古白)
わらんべの酒買ひに行く落葉哉(正岡子規)
順禮一人風の落葉に追はれけり(正岡子規)
茶坐敷の五尺の庭を落葉哉(正岡子規)
吹き入れし石燈籠の落葉哉(正岡子規)
ほろ/\と朝霜もゆる落葉哉(正岡子規)

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