紅葉 (もみじ)
【解説】
秋、木の葉が赤や黄などに色づくこと。また色づいた葉。晩秋の山野を代表する景。
【例句】
紅葉あかるく手紙よむによし(尾崎放哉)
いま写します紅葉が散ります(種田山頭火)
たかあしの膳に菓子盛り紅葉寺(高浜虚子)
水際なる蘆の一葉も紅葉せり(高浜虚子)
立ち昇る茶碗の湯気の紅葉晴(高浜虚子)
紅葉せるこの大木の男振り(高浜虚子)
木々紅葉せねばやまざる御法かな(高浜虚子)
今も尚承陽殿に紅葉見る(高浜虚子)
温泉に入りて暫しあたたか紅葉冷え(高浜虚子)
君を送り紅葉がくれに逍遥す(高浜虚子)
与良氏の墓木拱して紅葉せり(高浜虚子)
夕紅葉色失ふを見つつあり(高浜虚子)
伝奇にも酒手くれうぞ紅葉駕(高浜虚子)
濃紅葉に涙せき来る如何にせん(高浜虚子)
大原は近し濃紅葉牛車(高浜虚子)
紅葉見や尼も小縁にかしこまり(高浜虚子)
大紅葉燃え上らんとしつゝあり(高浜虚子)
能衣装うちかけしごと庭紅葉(高浜虚子)
紅葉駕しつらへあれば乗りもする(高浜虚子)
庭紅葉くゞりつゝ来る宿婢(高浜虚子)
首巻をして濃紅葉に染まるまゝ(高浜虚子)
通天の紅葉といふを折りて来し(高浜虚子)
人顔は未ださだかに夕紅葉(高浜虚子)
紅葉山映る大玻璃障子かな(高浜虚子)
たふとかる涙や染めて散る紅葉(松尾芭蕉)
紅葉谷の上に巍々たり御本山(川端茅舎)
石垣に固めし院の紅葉かな(川端茅舎)
院々の肉煮ゆる香や夕紅葉(川端茅舎)
緋鯉はねて折々さそふ紅葉哉(藤野古白)
紅葉はのうら流れ行小川哉(藤野古白)
暁は紅葉しにけり富士の雪(藤野古白)
赤からむ外に色なき紅葉かな(藤野古白)
夕陽をたよりに暮るる紅葉哉(藤野古白)
奥山や紅葉掻き分け鹿の角(藤野古白)
鹿の角ふりさけ見たる紅葉かな(藤野古白)
紅葉した露なるべしや梅もどき(藤野古白)
夕日さす紅葉の中に小村哉(正岡子規)
痩村と思ひの外の紅葉哉(正岡子規)
味噌色に摺鉢山の紅葉哉(正岡子規)
紅葉ちる和尚の留守のいろり哉(正岡子規)
どの山の紅葉か殘る馬の鞍(正岡子規)
大小の朱鞘はいやし紅葉狩(正岡子規)
紅葉する木立もなしに山深し(正岡子規)
わりなしや小松をのぼる蔦紅葉(正岡子規)
紅葉やく烟は黒し土鑵子(正岡子規)
下闇に紅葉一木のゆふ日哉(正岡子規)
常盤木にまじりて遲き紅葉哉(正岡子規)
一枝の紅葉そへたり妹が文(正岡子規)
牛小屋の留守に鹿鳴く紅葉哉(正岡子規)
兩岸の紅葉に下す筏かな(正岡子規)
をり/\に鹿のかほ出す紅葉哉(正岡子規)
二三枚取て重ねる紅葉哉(正岡子規)
駕下りて紅葉へ二里と申す也(正岡子規)
狩りくらす靱の底の紅葉哉(正岡子規)
白河の關を染めけり夕紅葉(正岡子規)
火ともせはずんぶり暮るゝ紅葉哉(正岡子規)
鉢植の松にも蔦の紅葉かな(正岡子規)